やるなら、今のうち???教育資金の一括贈与

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Vol.2692021年2月19日発行

やるなら、今のうち???教育資金の一括贈与

こんにちは。
備順子税理士事務所の備です。

さて、毎月第2・第4火曜日にお届けしておりますこの「マネーレシピ」。
第2火曜日は、税理士&FPの備順子から、
第4火曜日は、FPの前野彩からお送りいたします。

・・・が、

前回のメルマガVol.269号の令和3年の改正点の
「教育資金の一括贈与、やるなら今のうち???」
備より配信させていただきましたが・・・、
以下の点の記述が漏れていました。

「孫が教育資金を使いきらないうちに祖父母が亡くなってしまったら、
その贈与がいつ行われたものであっても
(たとえ3年超前の贈与であっても)相続税の対象となってしまう
という点です。

この点を踏まえて、
深謝して、訂正後のものを配信させていただきます。


なお、来週2月23日は祝日でメルマガ配信はお休みです。
彩ちゃんファンの皆様、
次々回に乞うご期待!!!

では、ここから訂正版です。

┏━━━┓  1.教育資金の一括贈与とは
メニュー┗┓  2.令和3年度税制改正の内容
     ┗┓  3.この制度を利用すべき???
          4.セミナー告知
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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□   ~教育資金の一括贈与とは ~
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今年の税制改正で、
「どうせやるなら、今のうち」
という特例制度は、教育資金の一括贈与です。


教育資金の一括贈与とは・・・
父母・祖父母などの直系尊属から、30歳未満の子・孫に
教育資金を贈与する場合、1,500万円までならいっぺんに贈与しても
贈与税がかからないという制度です。


もともと、扶養義務者間で、教育費や生活費の贈与があっても、
必要な都度・必要な額を直接充てるために受けたものは非課税です

これは、民法で直系尊属とか兄弟姉妹・配偶者は
お互いに扶け合いなさいと定められているからです。
扶け合うには金銭のやり取りがあって当然ですので、
非課税なのです。

ただし、向こう4年間分の学費と生活費を、
まとめて2,000万円贈与してしまうと、
1年後において相当額が残っている場合、
贈与税が課される可能性があります。

そこで・・・


改正前の教育資金の一括贈与の概要

そこで、平成25年に創設されたのが、
教育資金の一括贈与の非課税特例です。

いっぺんに金銭贈与した場合であっても、
教育資金に使われるのであれば、非課税にしましょう、
という制度です。


大原則は、
もらった孫等が30歳になるまでに教育費に使い切れば、
全く非課税、

30歳時点で残額があれば
贈与税の対象
というものです。


当初は30歳までに何とか使い切れば、
課税の対象から外れるため、
富裕層において相続対策として利用されていました。

相続が近くなって、
子や孫に一人当たり1,500万円ずつばらまけば、
秒速で相続財産から外れますので、
この節税効果は抜群です。

そこで、令和元年税制改正で節税封じとして、
贈与者である祖父母等が死亡した場合で、
死亡前3年以内に教育資金の一括贈与があったときは、
死亡時の残額が相続税の対象になるのです。
これは平成31年4月1日以後に贈与した場合です。

ただし、祖父母等の死亡時に、贈与を受けた孫等が
1. 23歳未満
2.在学中
3.教育訓練給付金の教育訓練を受講中
の場合は、相続財産に合算されません。


ということで、
相続間際の節税対策が封じ込まれた
と思っていましたら...


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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□   ~令和3年度税制改正の内容 ~
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改正点は2つです。

ひとつは
「孫が教育資金を使いきらないうちに祖父母が亡くなってしまったら、
その贈与がいつ行われたものであっても
(たとえ3年超前の贈与であっても)
相続税の対象となってしまう」
という点です。

改正前は贈与して、頑張って3年長生きすれば、
教育資金の使い残りがあっても相続税の対象とならなかったのですが、
改正後は、贈与時期にかかわらず、
教育資金の使い残りが相続税の対象となってしまうこととなります

ただし、贈与者である祖父母が亡くなったときに、
贈与を受けた孫等が、23歳未満であったり在学中なら
相続税の対象とならない点は変わりません。


もうひとつは
「孫の教育資金贈与の使い残りも相続税の2割増しの対象となる」
という点です。

遺言などで孫や、兄弟姉妹などが
相続財産を受け取った場合、
相続税が2割増しになるという制度(相続税の2割加算)があります。

今年の改正前までは、
教育資金の一括贈与を受けて、
贈与者の死亡時までに教育資金として使いきっていない場合で、
使い残りの金額が相続財産に加算されたとき、
受贈者が孫であってもこの2割増しの対象ではありませんでした。

ここが、富裕層の節税対策に使われたというのです。


父から子へ、子から孫へと順次相続財産が
2代にわたって課税されるのを
孫へ遺贈することは、
一代飛ばしますので節税の対象とはなりますが、
通常であれば、2割増しのデメリットがあります。


ところが、改正前は
この教育資金の一括贈与なら、

贈与者の死亡時までに使い切れば
「非課税」
贈与から3年長生きすれば、使い残りがあっても、
「相続税の対象外」
たとえ、相続財産に組み込まれても、
「2割増しは無し」

となっていたのです。

いずれに転んでもお得です。

そこで今回、節税封じの税制改正となったのです。

贈与者の死亡時までに使い切れず相続財産に組み込まれるとき、
受贈者が孫などであれば「2割増し」となってしまうこととなりました。

これは、令和3年4月1日以後にこの制度を利用して贈与した場合です。
つまり、令和3年3月31日までの贈与であれば、
未だ滑り込みセーフで、
一代飛ばしの節税が可能であるということです。

ただし、金融機関を通じてこの制度を利用しますので、
手続きに時間がかかります。
金融機関によりますが、1~2週間必要と思われますので、
利用を検討される方は、早めに行動する方がいいでしょう。



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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□   ~この制度を利用すべき???~
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この制度を積極的に使うべきかどうかですが、
実際利用されている方のご意見は、
「じゃまくさい」です。

この制度の創設当初より、多少、
資金の出し入れや領収書に関する手続きは簡易になってきたようですが、
それでも、やはり証明書が必要であったり、
非課税の対象である支出か否かの線引きが難しかったりと
なにかと「じゃまくさい」。

しかも、
23歳から30歳までは、一段と使い道が厳しくなり、
原則として学校等へ直接支払うものしか、非課税の対象となりません。
(ちなみに・・・
23歳未満なら絵画教室、音楽教室、ボートの免許取得や、
指導を受けてするスポーツジムの費用などもokです。)


冒頭でもお伝えしました通り、
扶養義務者間で、教育費や生活費の贈与があっても、
必要な都度・必要な額を直接充てるために受けたものは非課税です
こちらであれば、
金額に上限はありません。

それこそ私立の医学部に進む孫のために、
その都度その都度、学費や生活費の贈与をして、
結果、6年間で5,000万円を贈与したとしても、
非課税です。


そして、
税理士の立場から言いますと・・・、

この教育資金の一括贈与財産の使い残りがあった時、
贈与の時期により、
「相続財産に加算される・されない」
「相続税の2割加算の対象となる・ならない」
「複数の者から贈与を受けていた場合の取り扱い」
等、究極のややこしさです。

この制度の適用期限は令和5年3月31日までと、
2年延長されましたが、
この制度を利用されるなら、
「ご利用は計画的に」
「使い切れる金額を」
とお願いしたいのが本音です。


以上、訂正版でした。




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