こんにちは。
税理士の備順子です。
さて、毎月第2・第4火曜日にお届けしておりますこの「マネーレシピ」。
第2火曜日は、税理士&FPの備順子から、
第4火曜日は、FPの前野彩からお送りいたします。
昨日、やっと1回目のワクチン接種をしました。
早く2回目も打って安心したいです。
というのも、結構身近にところで、陽性の方も・・・
一人暮らしの私(備)にとっては、
やはり、びくびくものです。
ここ最近は、必要最小限の外出しかせず、
すっかり引きこもりです。
本日は、社長さんの一人飲み代について
今年(令和3年)1月に最高裁でとても面白い?判断がなされましたので、
備よりお伝えします。
以下、読みやすくするために
デフォルメして書いておりますので、
あらかじめ、ご了承くださいませ。
┏━━━┓ 1.一人飲み代が否認されて修正申告
メニュー┗┓ 2.社長さんの反論
┗┓ 3.税務署や裁判所の見方と判断
┗┓ 4.セミナー告知
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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□ ~一人飲み代が否認されて修正申告~
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X社長さんは3つの会社の社長さんです。
この会社に税務調査が入り、
社長さんのクラブでの飲食接待費が問題となったのです。
税務署の調査によりますと
ほとんどが社長さんの一人飲みでした。
にもかかわらず接待交際費として経費計上されていました。
それも3つの会社にうまく割りふって
必要経費としてみとめられる交際費の範囲内(年8百万円以下)に
おさまるようにされていました。
税務署からの指摘を受けて、
この一人飲み代は個人的な費用であるため、
会社から社長さんへの貸付金として修正申告しました。
会社の必要経費として計上していた金額を取り消すことで、
法人税や消費税の負担が増え、
さらにそれに過少申告加算税と延滞税がかかっているはずです。
ところが話はここで終わりませんでした。
税務署は個人的な飲み代を
交際費であるかのように仮装して会社の経費にして申告したことは
「隠蔽・仮装」であるとして、重加算税をかけたのです。
重加算税は追加納税額の35%ですのでかなりの金額です。
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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□ ~社長さんの反論~
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社長さんの反論は、
「クラブでの支出額は取引先等の接待のために要した交際費である。」
「クラブでの支出には、人脈を広げるという意味がある。」
というものです。
さらに税務署から
『「青色申告を取り消すぞ~、取り消されたくなければ修正申告に応じるように」
と圧力をかけられた』
また、ある税務職員から、
『一人のホステスさんの拡大写真を振りかざして
社長さんの妻に「事情を聴きに行くぞ~」と脅され、
修正申告に応じるように圧力をかけられた』
(・・・これは、かなり怖い話です・・・)
で、社長さんは税務署の調査は手続き上違法だという主張をしました。
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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□ ~税務署や裁判所の見方と判断~
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税務署や裁判所の見方と判断
社長さんが一人飲みしていたクラブはいずれも
社長さんのひいきにしていたホステスさんの勤務先であり、
そのホステスさんが他のクラブに移籍するたびに、
一人飲みのクラブもそのホステスさんの移籍先に変わっていました。
その利用の際に同伴出勤やアフターをしており、
その際は高級飲食店を利用しています。
これでは、会社の取引先との関係性を保つための交際費とは
とてもじゃないけれども認められないということです。
税務職員がホステスさんの写真をひらひらさせながら
社長さんの妻に聞きに行くぞ~と言ったということは
社会通念に照らして行き過ぎとはいえないとも判断しています。
なぜなら、妻は社長さんの会社の取締役であり、
取締役に事情を聴くと言ったこと自体は
限度を超える調査とはいえないという理由です。
「青色申告の承認を取り消す」と言ったことも
税務署にとっては青色申告を取り消すことが可能な状況であったため、
社会通念、限度を超えているとはいえないとも判断しています。
また、裁判官は次のような判断を示しています。
社長が「様々な者と交流することには、
人脈を広げるという意味がある」などと主張するが、
単に人脈を広げるという抽象的な必要性では、
事業関係者に対する接待等に要した交際費とは認められない。
交際費とするには、接待の相手方及び業務との関連性について
具体的な説明と、的確な裏付けが必要である。
ということで、結局社長さんは負けちゃいました。
実際、中小企業の社長さんの領収書の中に
一人飲みや家族との飲食費が混ざっているのも少なくはありません。
今回の教訓は
「妻が役員になっている場合、
内容を突っ込まれたくない領収書は経費にしない」
ですね。
?
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Vol.2822021年9月14日発行