始まってから1年、自筆証書遺言書保管制度の状況

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Vol.2802021年8月10日発行

始まってから1年、自筆証書遺言書保管制度の状況

こんにちは。
税理士・ファイナンシャルプランナーの備順子です。

さて、毎月第2・第4火曜日にお届けしておりますこの「マネーレシピ」。
第2火曜日は、税理士&FPの備順子から、
第4火曜日は、FPの前野彩からお送りいたします。


先日、タクシーに乗ったときのこと。

私 「すんませーん、〇〇町○丁目〇番〇号へ行ってください」

運転手「住所なんか言われても行かれへん」

私 「へ?」

運転手 「○丁目までは行くけどな」

私 「ナビとかは?」

運転手 「ナビに〇番〇号って入れても、
全然違う道に入りこんでたどり着かへん、
バス停とか、病院名とか、目印になるものをゆうてくれなあかん」

私 「・・・」

それから延々約8分間、説教されました。
「住所」ではたどり着けない理由を・・・

結局、見知らぬバス停で無理やり降ろされました。
(ちょうど別のタクシーが来たので、
住所を伝えて目的地には「ナビ」でたどり着けました)

あとで考えてみると、
問題の運転手さん、
ナビが全く使えない人だったようです。
ナビがあるにも関わらず、
一切触ろうとしていませんでしたから。

知らないことを知らないというのは、
プロとして恥ずかしいことで、
なんとか、ごまかしたくなる気持ちは、
私もよくわかります。

ではありますが、逆に怒ったり説教したりするのは、
かなり、反則です。
プロとしての対応を考えさせられました。

今回は、備より、始まってから約1年たった
自筆証書遺言を法務局に保管する制度について
お伝えしましょう。


┏━━━┓  1.自筆証書遺言書保管制度の状況
メニュー┗┓  2.自筆証書遺言の財産目録
     ┗┓  3.遺言書保管制度
      ┗┓  4.セミナー告知    
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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□   ~自筆証書遺言書保管制度の状況~
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自筆証書遺言を法務局に保管する制度が始まってから、
約1年たちます。
この制度は昨年7月10日から始まったのですが、
今年の6月末までの約1年間の保管の申請件数は合計2万849件でした。
(法務省ホームページの「遺言書保管制度の利用状況」より)

遺言が保管されているかどうかを相続人等が確認するための
「遺言書保管事実証明書」の請求の件数は498件。

相続人等が遺言の内容が書かれている証明書の交付を求める際の
「遺言書情報証明書」の申請件数は314件。
なかなかの滑り出しではないかと思います。

おもしろいのが、公正証書遺言の作成数です。

平成26年に公正証書遺言件数は
10万件を超え、終活ブームもあり順調に増加していました。
そして、令和元年は11万3,137件だったのですが、
令和2年は9万7,700件に急減してします。

コロナ禍による外出自粛・非接触・非対面の影響も、
公正証書遺言の減少の原因の一つであると思います。

とはいえ、公正証書遺言から法務局保管制度に流れた部分も
一定数あると思います。
公正証書遺言は財産額等に応じて数万円~数十万円の手数料がかかりますし、
証人2人が必要です。

一方、法務局保管制度は手数料が激安ですし、
証人は不要で本人が法務局に行くことができれば作成できます。

ということで、今回は、改めて、
自筆証書遺言と法務局保管制度について
再確認してみましょう。




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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□   ~自筆証書遺言の財産目録~
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自筆証書遺言は、原則として全文と日付と氏名を自書し、
そして押印しなければなりません。

財産のすべてを自筆で書くことは、
かなりやっかいな作業であるということで、
現在は、相続財産の目録の部分については、
自書でなくてもよいこととなっています。

たとえば、パソコンで作成したり、
代筆してもらってもいいのです。
また、不動産の登記簿謄本や預金通帳のコピーなどでもOKです。

ただし、このような財産目録のすべてのページに、
署名して押印しなければなりません。

なお、遺言書の本文と日付、氏名は自書しなければなりません。
たとえば、
「財産目録1の土地は妻に相続させる」
「財産目録2の預金は長男に相続させる」
等のような本文は自書し、
この遺言書本文に財産目録を添付します。

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■□ 税理士備順子のマネーのミニレシピ
□   ~自筆証書遺言書保管制度~
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そもそも、自筆証書遺言には決められた保管方法がありません。
お仏壇の中や銀行の貸金庫、机の引出しの中、
友人や弁護士に預けるなどさまざまです。

せっかく作成しても、紛失したり、
遺族が見つけてくれなかったり、
遺族が隠したり、書き換えたり・・・
とトラブルは頻繁におこり、
何十年も法廷で争うことも少なくありません。

これらのリスクを回避できる方法が、
自筆証書遺言の法務局における保管制度です。

1 遺言書の保管の申請
遺言書の保管の申請をするには、本人確認の必要がありますので、
遺言者が法務局に自ら出頭しなければなりません。
代理申請はできません。

法務局の保管官が自筆証書遺言の方式に誤りがないかどうかを審査します。
日付や氏名、押印が抜けていないかどうかかの形式的な審査です。
誤っていたり、抜けていれば補正するよう言ってくれますので、
形式的な方式不備で無効になることや後日のトラブルも避けられます。

ただし、遺言の作成方法や、書き方、内容等について、
保管官が相談に乗ってくれることは一切ありません。


法務局に預ける遺言については余白については
きっちり守らなければなりません。
A4用紙で
左側の余白が2センチ以上(2穴をあけて閉じるため)
上側・右側の余白が5ミリ以上
下側の余白が1センチ以上

財産目録の余白も同様にしなければなりません。
縦書き横書きは自由ですが、
片面のみに記載します。
画像データで管理するため自筆証書遺言は
無封のものでなければなりません。

なお、下記の法務省のホームページの
「遺言書の用紙例について」で
この用紙をダウンロードすることができます。
http://www.moj.go.jp/content/001321932.pdf


遺言書の保管は、遺言者の住所地や本籍地の法務局に申請します。
その法務局で原本の保管をし、遺言書の画像情報等の管理がなされます。
この保管申請の手数料は3,900円です。


2 遺言者による保管の申請の撤回

遺言者は、遺言書の保管申請の撤回をすることができます。
撤回や、住所の変更などには手数料はかかりません。
遺言書を撤回する方法は、
法務局から原本を返してもらって破棄する方法と、
また、別途新しい遺言を書く方法があります。

法務局保管制度を利用した後で撤回したくなったときに、
本人が法務局に出かけることができなくなっていたら、
別途、新たに作成するしかありません。

なお、遺言は最後に作成したものが、最優先です。
保管制度を利用した自筆証書遺言、公正証書遺言、
自宅保管の自筆証書遺言などがたくさん発見された場合は、
最後の日付のものが最終意思となります。

遺言が1つとは限らないため、
1通見つかったからと言っても、
相続人は油断できません。



3 相続人等による証明書等の請求
遺言者の死亡後は誰でも、遺言書の有無の確認ができます。
この有無の確認(遺言書保管事実証明書の交付)の手数料は800円です。
こちらは、保管されているかどうかだけの証明書です。

法務局に保管されている場合は、
遺言者の相続人や受遺者等は、
「遺言書情報証明書」という遺言の内容の証明書の交付を受けられます。
これにより、不動産や現金の名義替えが可能となります。
「遺言書情報証明書」の発行手数料は1,400円です。

証明書の交付請求等は全国の法務局でできます。
なお、遺言書の原本が相続人に対して返還されることはなく、
遺言書の原本はその法務局で遺言者死亡後50年間,
遺言書の画像データは遺言者死亡後150年間保管されます。


4 遺言書の検認の適用除外
遺言書保管所が保管する遺言書は、
検認の必要がありません。

検認は偽造や変造を防止するための手続きです。
自宅保存等の自筆証書遺言を発見した相続人は、
相続の開始を知った後は、
家庭裁判所に遺言書を提出して、
検認を請求しなければなりません。

検認手続きが終わるまで1か月ほどかかりますので、
遺産分けが遅くなっていました。

法務局保管制度では、この検認手続きが不要で、
かなり便利です。


法務局で行われる手続はすべて,
あらかじめ予約が必要です。
30日前から予約できます。

予約の方法も含めて
下記の法務省のホームページで
イラスト入りでわかりやすく説明されています。

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html



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