逆張り!サラリーマンの年末までにやれる対策

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Vol.2632020年11月10日発行

逆張り!サラリーマンの年末までにやれる対策

こんにちは。
FPオフィス willの前野彩&備順子税理士事務所の備です。

さて、毎月第2・第4火曜日にお届けしておりますこの「マネーレシピ」。
第2火曜日は、税理士&FPの備順子から、
第4火曜日は、FPの前野彩からお送りいたします。


今年は新型コロナウイルス感染症の影響で
賞与カット、残業カットで収入減少という方も
多くいらっしゃると思います。

今年は、収入が少ない
  ↓
税金負担が少ない
  ↓
節税対策はいらない
  ↓
来年は収入が増えるかも...

という方のために、今回は備より
「逆張り!サラリーマンの年末までにやれる対策」
です。

┏━━━┓  1. 年内にやれる対策 
メニュー┗┓  2. 医療費関係の対策
          ┓ 3.セミナー告知
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■□ 備順子税理士のマネーのミニレシピ
□   ~年内にやれる対策~
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(1) 過去の年分の還付申告をする場合
今年中で期限が切れるものがあります。

サラリーマンは、年末調整で税金の計算と精算は会社がしますので
通常は確定申告しません。
しかし、そのサラリーマンが過去の年分について、
たとえば医療費控除や、住宅ローン控除の申告をしていなかったり
寄付をしていたのに申告をしていなかった、
中途退職してそのままにしていた等・・・
5年間はさかのぼって確定申告をすることにより、還付を受けられます。

平成27年分の還付申告は令和2年12月31日(消印有効)が期限です。

なお、e‐Taxは12月29日から1月3日までは
利用できないようですのでご注意ください。
(2020年12月26日(土)・12月27日(日)はe‐Tax利用可能です)



(2)子を夫の扶養から妻の扶養へ、
例えば、今年、夫の給与収入が激減した一方、
妻の収入はそこそこ安定していた場合など、
夫婦の所得が逆転していた場合に検討していただきたいのが、これです。

夫婦共働きの場合、子や、親などの扶養親族は、
夫婦のうちいずれか1人の扶養親族とします。

例年、夫の方が収入が多いので、
子や親を夫の扶養の対象としていたとしても、
今年は妻の収入の方が多かったのなら、
妻の扶養に変更することができます。

誰が誰を扶養控除の対象親族とするかについては、
私たちが自由に選択できます。
(健康保険の扶養の対象と異なっていてもかまいません)

当初、夫の扶養親族として勤め先に届け出ていたとしても、
今年の年末調整で、変更することは可能です。

「令和2年分扶養控除等(異動)申告書」を勤め先から返してもらい、
夫は扶養の対象としていた子や親を抹消して、
妻は逆に子や親を扶養の対象として書き込みます。

すると、その情報で年末調整されます。

ただし、そのことで、
もしかして、さかのぼって夫の勤め先からの家族手当に
影響がある場合は注意してくださいね。


また、年末調整で間に合わなかったとしても、
その後提出する確定申告書等で変更することも可能です。

1年間の夫婦の収入が確定した後の来年の1月以後でも、
やり直しがきくということです。

なお、年末調整は確定申告でやり直せますが、
いったん確定申告で扶養控除の対象を夫婦のいずれかに決めたら、
そのあとになって、「やっぱり逆の方が得だった」ということで、
やり直しの申告(更正の請求といいます)はできませんので、
要注意です。



(3) 夫を妻の配偶者控除等の対象へ
共働きのご夫婦で考えられることがもう一つあります。
夫の給与収入が年間150万円以下、あるいは、
年収約201万円以下であったという場合です。

夫を妻の配偶者控除や配偶者特別控除の対象とすることができます

この場合、妻が年末調整時に
「令和2年分扶養控除等(異動)申告書」を勤め先から返してもらい、
夫の給与収入が150万円以下なら
源泉控除対象配偶者欄に書き入れます。

さらに
「令和2年分基礎控除申告書 兼
配偶者控除等申告書 兼
所得金額調整控除申告書」の
配偶者控除等申告書欄に書き込んで勤め先に提出します。

夫の給与収入が150万円~約201万円以下の場合は
この配偶者控除等申告書欄に書き込んで勤め先に提出します。

なお、夫婦がお互いに相手を配偶者控除等の対象には
できないこととなっていますので御注意ください。



(4) 相続した自宅(空き家のまま)を売る場合の特例

通常、土地・建物を売った場合、値上がり益に20%の税金がかかります。

これは、給与収入とは全く別の所得区分ですので、
値上がり益があれば、課税の対象となります。

ところで、
人によっては今年で期限切れとなってしまう特例があります。

一人暮らしの親の自宅を相続等で引き継いだ後、
ずっと空き家のままであった場合、
その自宅とその敷地を売却したときに税金の軽減制度が使えるケースがあります。
これらの売却益から3,000万円を差し引くことができる特例です。

「相続があったのがいつか」により
「いつまでに売れば適用を受けられるか」が異なります。

平成28年1月2日~平成29年1月1日までの相続
→→→ もう適用はありません。
平成29年1月2日~平成30年1月1日までの相続
→→→ 令和2年12月31日までに売る
平成30年1月2日~平成31年1月1日までの相続
→→→ 令和3年12月31日までに売る
平成31年1月2日~令和2年1月1日までの相続
→→→ 令和4年12月31日までに売る
令和2年1月2日~令和3年1月1日までの相続
→→→ 令和5年12月31日までに売る

この特例は次のような細かい要件を満たさなければなりませんので
平成29年1月2日~平成30年1月1日までに相続があった人が
今年の年末までに売却までするのは難しいかもしれませんが、
該当する方は早急に税理士か市役所に相談してみてください。

1.相続開始前に親が一人住まいであったこと
(平成31年4月以後の売却なら、
親が老人ホーム入居中に亡くなった場合も適用できます)、
2.相続から3年を経過する年の12月末までに売却すること、
3.昭和56年5月31日までに建てられた家であること、
4.家屋を取り壊して更地にするか、耐震基準を満たすリフォーム等をして売ること、
5.相続時から売却時まで、事業用や居住用や貸付用に使っていなかったこと、
6.売却価額が合計で1億円以下であること、
7.売却時まで空き家であったことの確認証明を市町村長に出しもらうこと。



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■□ 備順子税理士のマネーのミニレシピ
□   ~医療費関係の対策~
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(5)医療費控除
今年は収入が減ったからこそ、
支払った医療費が少なくても、
医療費控除が受けられるかもしれません。

医療費控除は原則として1年間の医療費が
10万円を超える場合に、受けられます。
12月までに支払った一家の医療費や医薬品の合計額から、
保険金で補填される金額を差し引いた金額が10万円超かどうかです。

ただし、総所得金額が200万円以下の場合は、
医療費合計が、総所得金額の5%を超えると適用を受けられます。

総所得金額とは、
給与所得だけなら給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額です。
給与収入金額でいえば約297万円以下が、
総所得金額200万円以下となります。

公的年金だけなら
年間収入310万円以下(65歳以上)が総所得金額200万円以下となります。

例えば、妻の給与の年間収入が160万円であった場合、
年間の家族の医療費が5万2500円を超えていれば、
妻が医療費控除の適用を受けられます。

とはいえ、今年はコロナ自粛であまり、
病院へ行っていないという方も多く見受けられます。

あまり、急がない治療であれば、
今年中でなく、来年に先送りして、
来年の医療費控除の適用を受けるということも考えられます。

ただし、診察を先送りして手遅れにならないように
くれぐれもご注意ください。


(6)マスク購入代やPCR検査は医療費控除の対象となる?
今年はマスクや消毒液の購入費がかさんだご家庭も多いでしょう。
これらは医療費控除の対象となるでしょうか?

国税庁の
「新型コロナウイルス感染症に関連する
税務上の取扱い関係に関するFAQ」
では次の説明があります。


・・・・・・・・・・
医療費控除の対象となる医療費は、
イ)医師等による診療や治療のために支払った費用
ロ)治療や療養に必要な医薬品の購入費用
 などとされています
ご質問のマスクについては、病気の感染予防を目的に着用するものであり、
その購入費用はこれらイやロのいずれの費用にも該当しないため、
医療費控除の対象となりません。

健康維持を目的とするビタミン剤の購入費用など
病気の予防のための費用も医療費控除の対象となりません。


・・・・・・・・・・・・・
とあります。
消毒液も「感染予防」ですので同様の取り扱いでしょう。


では、自費でPCR検査を行った場合の費用はどうでしょうか?
同じくFAQで

・・・・・・・・・・・
単に感染していないことを明らかにする目的で受けるPCR検査など、
自己の判断により受けたPCR検査の検査費用は、
医療費控除の対象となりません。

ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し、
引き続き治療を行った場合には、
その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、
その場合の検査費用については、医療費控除の対象となります。

・・・・・・・・・・・・


(7)年内の予防接種でセルフメディケーション税制を受ける?
医療費控除の兄弟分である「セルフメディケーション税制」。
これは、特定一般用医薬品等(スイッチOTC医薬品)の支払額が
年間12,000円を超えるとき、その超える部分の金額について
その年分の所得から差し引くことができる制度です。
控除の対象は8万8千円が上限となります。

今年は、病院に行かず、
市販薬でしのいだという方もおられるかもしれませんね。

このスイッチOTC医薬品は、先ほどの医療費控除の対象にもなります。
ただし、医療費控除に含めて申告するか、
セルフメディケーション税制で申告するかは選択ですので、
とにかく12月までは、一家で支払った医療費や医薬品の領収書は
1か所にまとめておきましょう。

なお、セルフメディケーション税制は、
健康診断や予防接種を受けた人が申告できる制度です。

今年、スイッチOTC医薬品の購入費用が12,000円を超えそうで、
まだ、健康診断も予防接種も受けていない方は、
12月までに受けておけば適用できます。


今年は、苦しい家計のご家庭も多くいらっしゃると思いますが、
少しでも手取り額が多くなる方法が見つかりましたら、
じっくり検討して、実行してみてください。

不明な点は、ぜひお気軽に税務署へお問い合わせください。
最近は税務署も親切です。
節税の相談に乗ってくれます。

私たちは「納税者」ですから、
どしどし国家の力(税務職員)を借りましょう。



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