来月から年金制度が変わるって知ってる?&配偶者の住宅を確保する相続法

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Vol.1912017年7月25日発行

来月から年金制度が変わるって知ってる?&配偶者の住宅を確保する相続法

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来月から、74万人以上に影響を及ぼす
年金制度の改正があります。

それは、「年金の受給資格期間が10年」になること。

では、どんな制度であり、どんな影響があるのでしょうか。

私たちは、20歳から60歳になるまでの40年間、
国民年金に加入する義務があります。

義務ですから、国から老後の年金として「老齢基礎年金」を受け取るためには、
本来は誰もが40年間、年金保険料を納めているハズなのです。

ところが実際、年金制度は十分に知られているとは言い難く、
国民年金の制度をよく知らずに国民年金保険料を納めていなかったり、
収入の中から国民年金保険料を納めることが苦しかったり、
あるいは、以前は国自身が
「加入しても加入しなくてもどちらでもいいよ」と言っていた期間があったりと、
40年間納めていない人がたくさんいらっしゃるのが現実です。

そこで7月現在では、
「40年が無理なら、最低でも25年分の保険料を納めていたら年金をもらえる」
という制度になっています

とはいえ............年金制度はシビアです。

最低でも25年分納める義務があるということは、
24年11か月分しか国民年金保険料を納めていなければ、
老後の年金は、1円も受け取ることはできないのです。

そこで、改正の出番です。

8月からは、「最低10年分」の保険料を納めていれば
老齢基礎年金を受け取れるようになったのです。

これなら、納めていなかった期間が多い人も
老後の年金がもらえるから、一安心ですね。

でも......ちょっと待って!

年金保険料を40年間納めた人と、10年しか納めていない人と、
同じ年金額だとしたら、不公平に感じませんか?
言うまでもなく不公平ですよね。

そこで、今回の改正で10年間国民年金保険料を納めていて、
老後の年金を受け取る資格はできたとしても、
実際に受け取る年金額は、
40年分の国民年金保険料を納めた人の4分の1しかありません。

40年納めた人は、月額6.5万円を受け取ることができますが、
10年納めた人は、月額1.6万円なのです。

これなら公平性を保ちながら、
今まで年金ゼロ円だった人が、月額1.6万円、年間にして19.5万円、
受け取れるようになるので、収入が増えることになります。

これが「受給資格期間が10年で年金が受け取れる」という変化です。

なお、今回、少しでもカンタンに年金制度をお伝えするために、
「年金の受給資格期間」の説明を
「国民年金保険料を納めた期間」としてご説明しました。

ただ、実際には、直接国民年金保険料を納めた期間だけでなく、
次の項目の期間も受給資格期間に合計されますから、ご安心ください。

・厚生年金に加入している期間
・専業主婦(夫)などで、第3号被保険者としての手続きをしている期間
・免除申請をしている期間
・学生納付特例などを使っている期間
 (ただし、将来の年金額には反映されない)
・カラ期間(国が加入は任意として強制ではなかった制度上の空白期間)
 (ただし、将来の年金額には反映されない)

現在、40代までの方は、どんな状況であったとしても、
これから納めることで少なくとも最低限の年金は確保できます。

現在、50歳以上の方においては、
過去に納めた期間が10年以上25年未満であれば、
これからは受け取ることができるようになるので朗報ですね。

なお、すでに年金を受け取る年齢に達していて、
今回の改正から受け取る人は、
今月初旬までにお知らせが届いていますから、
そちらを確認してくださいね。

繰り返しになりますが、
受給資格期間10年で年金を受け取ることができるようになったとはいえ、
月額1.6万円の年金額で生活をするのは大変です。

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夫に先立たれた妻は、先のことを考えるとさぞかし心細いことでしょう。
そのような中で、子と遺産分割をするとき、
子が母を案じて、譲ってくれるとは限りません。

子は子で、住宅ローンや教育資金に追われていたりします。
また、子自身も自分の老後のことを考え、
遺産があれば少しでも多く受け取りたいという気持ちになるのも、
無理からぬところがあります。

そして、母と子が分割でもめにもめたあげく、
母は住み慣れた住宅を売却せざるを得ないということも少なからずあるようです。

このようなことが問題となって、
のこされた配偶者の終の棲家を確保して、
安心の老後を用意しようという法律が検討中です。

20年以上連れ添った夫婦で、どちらか一方(例えば夫)が死亡した場合、
夫から生前贈与されたり、遺贈された住宅は、
「遺産分割の対象にしない」とする案が検討されているのです。

法務省は8月上旬から約1カ月半の間、意見公募を実施するようです。
意見公募の結果から、来年の通常国会で民法改正案が出されるということです。

今の法律では、たとえすでに生前贈与されていたり、
遺言で遺贈するとされていたりしても、
その財産を含めて遺産分割の話し合いがなされたり、
遺留分(注)の計算の対象とされるのです。

(注) 遺留分とは、相続人に与えられた遺産に対する権利で、
遺言者の思い通りにならない最低限の割合をいいます。

20年以上連れ添った配偶者間で住宅を贈与した場合、
2,000万円までは贈与税が非課税になる特例もありますが、
これはあくまでも税金上の話なのです。
贈与税が非課税になることと、遺産分割は別の話なのです。

検討案では、20年以上連れ添った夫婦間で、
住宅を生前贈与するか、または遺贈の意思を明らかにした場合は、
遺産分割の対象から除くというものです。

例えば、夫が死亡して、妻と2人の子が相続人、
遺産は4,000万円の住居と現金4,000万円とします。

民法では分割の割合の目安が示されており、
配偶者が2分の1、子の相続分が2分の1(これを子の数で均等に按分)です。

遺産分割の対象は合計で8,000万円ですから、
妻が住居を相続しますと、子2人がそれぞれ2,000万円ずつとなります。
この場合は、妻は現金を相続できません。
妻はこの先、とっても不安ですね。

これが検討案では、住宅が遺産分割の対象から除かれますので、
遺産分割の対象は現金4,000万円となり、
妻は住宅以外に現金2,000万円、
子2人はそれぞれ現金1,000万円ずつ相続することになります。

配偶者は終の棲家が確保されたうえで、
その他の遺産も受け取れます。

ところで、こうなると慎重に考えたいことがあります。
それは、「20年以上連れ添った配偶者間で住宅を贈与した場合、
2,000万円までは贈与税が非課税になる特例」を、今、使うべきかどうかです。

確かに贈与税は非課税ですが、原則として登録免許税や不動産取得税がかかります。
(相続で引き継ぐと不動産取得税はゼロ円、登録免許税は5分の一)

新しい法律が成立すれば、
夫が引き継がせたいと遺言で意思表示をしておけば、
確実に住宅を妻に残すことができるのですから、
今後の法律の動きに注目したいところです。

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