教育資金の一括贈与が厳しくなった

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Vol.2262019年2月12日発行

教育資金の一括贈与が厳しくなった

こんにちは。
FPオフィス willの前野彩&備順子税理士事務所の備です。

さて、毎月第2・第4火曜日にお届けしておりますこの「マネーレシピ」。
第2火曜日は、税理士&FPの備順子から、
第4火曜日は、FPの前野彩からお送りいたします。


税務署が千客万来状態になる時期がやってまいりました。
納税者の皆さんの真面目さと忍耐強さには、心から脱帽です。

私の近くの税務署は、それこそ、3月にはいると戦場です。
3階が申告会場ですが、
1階から2階への階段もぎっっちり順番待ちの人です。

税務署近くの道路は、車で来られる方の路上駐車で、
近隣住民の方と一触即発状態です。

春が待ち遠しい。

とはいえ、税理士の私としては、
申告期限の3月15日は、まだまだ来ないでほしい...。

今回は、税理士の備から、
今年の税制改正のうち、
教育資金の一括贈与の見直しについてお伝えします。


┏━━━┓    1. 教育資金の一括贈与が厳しくなった
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■□  税理士備 順子のマネーのミニレシピ
□ ~教育資金の一括贈与が厳しくなった~
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今年の税制改正は小粒と言われていますが、
気になる改正もあちらこちらにあります。

今回は、気になる改正のうちの一つであり、
「やるなら今のうち税制」でもある
教育資金の一括贈与の非課税制度について取り上げましょう。

まず、教育資金の一括贈与の非課税特例とは何でしょうか。

父母・祖父母などの直系尊属から、30歳未満の子・孫に
教育資金を贈与する場合、1,500万円までならいっぺんに贈与しても
贈与税がかからないという制度です。

もともと、扶養義務者間で、教育費や生活費の贈与があっても、
必要な都度・必要な額を直接充てるために受けたものは非課税です

これは、民法で直系尊属とか兄弟姉妹・配偶者はお互いに扶け合いなさいと定められているからです。
扶け合うには金銭のやり取りがあって当然ですので、非課税なのです。

ただし、向こう4年間分の学費として、まとめて2000万円渡してしまうと、
これは贈与税が課される可能性があります。

そこで、創設されたのが教育資金の一括贈与の非課税特例です。
いっぺんに金銭贈与した場合であっても、
教育資金に使われるのであれば、非課税にしましょう、
という制度です。(平成25年創設)


改正前は、もらった孫等が30歳になるまでに使い切れば、全く非課税です。
30歳時点で残額があれば贈与税の対象となります。

贈与した祖父母等が亡くなった時点では、
もらった孫等が使い切っていなかったとしても、
改正前までは、相続税の対象とはなりませんでした。

ということで、富裕層の間では相続税の節税直前対策として、
利用されていた面があります。
これが、改正後は相続直前対策としては使えなくなりそうです。

贈与者である祖父母等が死亡した場合で、
死亡前3年以内に教育資金の一括贈与があったときは、
死亡時の残額が相続税の対象になるのです。
これは平成31年4月1日以後に贈与した場合です。

ただし、祖父母等の死亡時に、
1.贈与を受けた孫等が23歳未満であったり、
2.その時に学校等に在学していたり、
3.教育訓練給付金の教育訓練を受講していたり、
などの場合は、相続財産に合算しません。

逆に言えば贈与してから3年以上長生きすれば、
相続財産に合算されることはありません。
また、平成31年3月末までの一括贈与なら、
改正前と同様の取り扱い(相続財産に合算しない)になります。

この点で、「やるなら今のうち規定」と言えます。


このほかに、ちょっと笑える改正点があります。
改正前は贈与を受ける孫等の所得が、
いくらであっても関係ありませんでした。
ところが、今回の改正で、
贈与される年の前年の孫等の所得が1,000万円を超えていると
適用を受けられないというものです。

30歳未満で所得が1,000万円 (給与収入1,220万円) 超という人が、
はたして、どれぐらいいてはるのでしょう。
これは平成31年4月1日以後の贈与の際から適用されます。



さらに、23歳以上の教育資金の使い道制限の改正です。

教育資金の使い道は、学校等に直接支払う入学金や授業料はもちろんですが、
学習塾や習い事・スポーツ教室・文化芸術に関する活動費用、
その物品の購入費、通学定期や留学渡航費など、
学校等に直接支払うもの以外も非課税の対象となります。
ただし、学校等へ支払うもの以外は500万円が上限です。

たとえば絵画教室、音楽教室、ボートの免許取得や、
指導員の指導を受ける場合のスポーツジムの費用なども対象となっていたのです。

これが改正され、孫等が23歳以上の場合は、
1.大学などの入学金や授業料
2.通学定期や留学渡航費用
3.教育訓練給付金の対象となる教育訓練の受講料
に限定されることとなります。
この規定は、平成31年7月1日以後に支払われる教育資金について適用されます。

私の知人の子供さんは、18歳の時に一括贈与を受けています。
幸い?大学もストレートで受かりましたので、
ただでさえ、30歳までに使い切ることに困っていたのに、
それに追い打ちがかかりました。



もう一つの改正は若干いい話です。
贈与を受けた孫が30歳になった場合の残額の取り扱いです。

改正前は贈与された孫等が30歳になった時に、
使い切れなかった部分について、その時点で贈与税が課税されました。
改正後は、30歳の時点で次の1か2であれば贈与税が課税されません。
1.学校等に在学中
2.教育訓練給付金の対象となる教育訓練の受講中
そして、これらが終了する日、または、40歳になる日の
どちらか早い日まで贈与税が課税されないのです。

これは平成31年7月1日以後に、
受贈者の孫等が30歳に達する場合に適用されます。

このような見直しがなされたうえで、
教育資金の一括贈与の非課税制度そのものは、
平成33年3月31日まで延長されました。

お金持ちの一族に生まれると十分な教育が受けられます。
教育資金の一括贈与はその格差をますます大きくするということで
見直しが求められていましたが、
結果は...
何とも、ややこしく複雑怪奇な制度となりました。

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